不登校という
「暗いトンネル」の出口を
一緒に探す
フリースペースS-BASE


インタビュー&ライティング
内橋麻衣子(取材日:2022年9月) 
 

 
 

 
https://www.wakuwaku-s-base.com/
 
 
ボランティア体質を脱し、
企業として事業継続へ。
 
届けるべきストーリーが生まれたら、
未来が見えた!


代表 清水ひとみさん(JADP認定メンタル心理カウンセラー)
8年間、断続的に不登校を繰り返した長女と向き合った経験から、不登校に苦悩する子どもたちや保護者のサポートをするため、2021年6月フリースペースS-BASEを開設。「目の前の子どもたちをそのまま受け入れる」ことを大切にしながら、自分を取り戻すための居場所の提供を通じ、子どもたちが社会で自立するための支援に取り組んでいる。
 
 
 
利用者が増えないホームページを、
なんとかしたい!
 


「このホームページでは、S-BASEへ行きたいなんて誰も思いませんよ。」
開設から10カ月、一向に増えない利用者に困り果て、相談した中小企業診断士の先生に思い切りダメ出しをされてしまいました。ホームページを開設したらすぐに問合せがあり、忙しくなると思っていたのに、S-BASEをまともに利用してくれたのはたった1人だったんです。
仕事を辞め、人生の集大成として立ち上げたはずなのに、取り組む姿勢が中途半端だったと反省。もっと本気を出そうと決心し直した時、1か月前に出会った今村明浩さんのことを思い出しました。
今村さんに初めて出会ったのは、ゲストスピーカーとして参加させていただいた、小野市でのトークイベントでした。モデレーター(聞き手)として、会場の参加者が聴きたい話を上手に引き出してくださる方という印象が強く残っていました。すぐに連絡し、言葉さえ知らなかったコーチングを受けることになったんです。
初めてのコーチングは、とても不思議な体験でした。
 

 

 
 
 
一つひとつの質問が気づかせてくれた、
いちばん大切な事業への想い
 


コーチングで何をしたのかと聞かれると、何もしていません(笑)。今村さんから投げかけられる質問に、ただ答えただけです。でもそのやりとりの中で、自作のホームページに足りなかったこと、本当に伝えるべきことが、すべて可視化されていきました。
特に時間をかけたのは、共感される言葉を見つけることでした。「これは自分のことだ、ここに連絡してみよう」と、思ってもらえる言葉って何だろう。思い浮かんだことを書きだしては「これは違うかな」「そっちはどうだろう」と話し合いを重ね、最後に「これだ!」と探し当てた言葉。それが「『暗いトンネル』の出口を一緒に探す」というS-BASEの理念になりました。
わが子の不登校の経験を振り返ると、私自身が本当に真っ暗なトンネルの中にいたんです。
「どっちに進めばいいのかわからない中、トンネルから抜け、光が見える出口まで伴走しよう。」
今村さんと対話を続ける中で、自分の中から自然と出た想いでした。答えは自分の中にあったこと、最初から答えを持っていたんだということに、コーチングが気づかせてくれたのです。
S-BASEの柱が整った今、振り返ると、自分たちの想いや届けることができるものなど、ストーリーもなく発信していたことに気づきます。それはまるで、伝えるべきことを敢えて隠したまま、事業を進めていたようなもの。S-BASEのことを理解していただけるはずもなく、利用者が現れなくて当然でした。
 
 
 
 
まるで“予言”⁉ 
コーチングが開いてくれた
S-BASEの未来
 


今村さんのコーチングを定期的に受けた結果、3つの手ごたえを感じるようになりました。
まずは、この一年でS-BASEの利用者が、ゼロから定員の15人に増えました。お越しになる皆さんが「ホームページを見た時、私が探していたのはここだと思った」「一緒に出口を探してもらえると思うと安心できる」と言ってくださり、今村さんに引き出してもらえた私たちの想いが、きっちり伝わっていることを実感しています。
次に、「ホームページで見たS-BASEのような、フリースクールを始めたい」と、県内各地から見学者が来られるようになりました。中には、実際に立ち上げられた方もいらっしゃいます。ごく一般的な住宅のこじんまりとしたスペースでもできるんだと、前向きな気持ちになっていただけるようです。
そして3つ目の手ごたえは、今村さんの「予言」通りに物事が進んでいること。
例えば、ホームページの完成から1ヶ月ほどが経過したお盆過ぎから、急に忙しくなり始めました。「8月くらいには、システムや料金を改善しないといけない時期が来るかも」と言われていたんですが、きっちりその通りになりました。「年末くらいには忙しくなりすぎて、コーチングの時間もないかもしれない」という“予言”もそのままでしたし、「来年には講演をされているかもしれませんね」との言葉通り、本当に講演の依頼をいただきました。
今村さん自身は「提案」だとおっしゃいますが、「この時期には、こんなことになっているでしょうね」と予想されたままの出来事が起こっています。
 


 
 
 
 
先を見据えて示してくれる
進むべき方向のキーワード
 


利用者がゼロだった頃は、「忙しくなる」と言われても想像できませんでしたが、何もかもが今村さんの言葉のままに実現していくことで、世の中の動きを客観的にとらえ、S-BASEが社会の中のどの位置にいるのかを把握する力に長けていらっしゃるのだと感じます。
今村さんは、今の状況より少し先を見据えているんです。そして、「こういうやり方もあるかもしれない」「先々で環境が整ったとき、こういうやり方もいいかもしれない」と、キーワードを私の頭に残してくださいます。時間がたって落ち着いてくると、そのキーワードが次に向かうべき方向の指針になっているんです。それは結果として自分で決めた行動になっているため、誘導されていないにもかかわらず導かれた通りに進んでいるという、なんとも不思議な感覚です。
現在、今村さんに手伝っていただきながら、次の目標である2つめの居場所を開く準備を進めています。子どもたちが、「今日は学校へ行く」「明日はS-BASEがいい」というように、通う場所が選べる時代になれば。学ぶ場を自分で選択できるようになれば、「不登校」という言葉もなくなり、子どもたちがもっといきいきするのではないかと思っています。
 
 
 
 
今日の一歩を踏み出すために、
ぜひ出会ってほしい人
 


自分の向かうべき先が見えない、自分の中に何かあるのだけれど自分ではっきり見えない、わからない。そんなときは、一度、今村さんのコーチングを受けてみることをお勧めしたいです。
本当は行きたい場所があるけれど、たどり着けるか自信がない時、動かないうちはどこにもたどり着けません。大切なのは、一歩外へ踏み出してみること。その一歩は、たどり着きたい場所へ直接続いていないかもしれないし、方向が間違っているかもしれない。でも、間違いなくどこかにたどり着けます。今日、一歩踏み出せたなら、それがすでに成功なんです。
 
 
今村さんってこんな人!


私って、こんなことを想っていたんだ」
「こんなことができるんだ」と、
自分の中にある可能性を引き出し、
気づかせてくれる人です。
 


 
 
 
インタビュー&ライティング
内橋麻衣子(取材日:2022年9月)